リザルトカレンダー:10月

10月の経過
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マルチメディアから垣間見える未来社会の姿
2
東海大相模祭Kおじさん家
3 4 5 6
『赤いハンカチ』『二人の世界』
7 8 9
10 11 12 13
『日本沈没』ムーンライダーズ・ライブ『ジャッキー・ブラウン』
14
『サード』『フォー・ルームス』「双頭の鷲」
15 16
17
『私はゾンビと歩いた!』ムーンライダーズ・ライブ映画『π』『ノストラダムス』
18
『MOON44』『赤い鳥逃げた?』
19
『VISITOR』『ザ・グリード』『レディホーク』
20 21
『パルプ・フィクション』
22 23
シンポジウムの懇親会
24
『エイリアン4』
25 26 27
パーティー
28 29
学祭準備日
30
学祭初日
31
学祭中日
 

10月の感想

10月1日(金)
講演とパネルディスカッションの集い「マルチメディアから垣間見える未来社会の姿」(大和市保健福祉センターホール、13:20〜16:30)
 神奈川県市町村文化行政研究会議という集まりの催し。今年は大和市が幹事ということらしい。というわけでお客は役所の背広組とそうでない人が半々ぐらいか。盛況。
 基調講演は坂村先生。まずコンピュータの歴史から始まって、コンピュータの、それ自身は何も生産しないが、別の装置とくっついてその機能を強化するものである、という性質を説明。今後はあらゆるモノにコンピュータがくっついて、それらがネットワークで結ばれるようになる。そうなったとき、そのネットワークと、そこでの情報交換を支えるものは何か、という話。
 ネットワーク上の情報空間は、現実世界と緊密に連携する。これには、あらゆるモノのもつ情報のデータ化が進むという前提があるのだが、このデータ化は作業としては膨大なものである。これがどのように実現されるかというと、ボランティアで行われるのである。すべてをお金で解決しようとすると破綻するが、ネットワーク上で“情報”と“情報提供者への敬意”とが交換されるようになれば、それは対価としてじゅうぶん機能する。そして情報交換の基盤として必要なのは、データ交換のための規格(文字コード含めて)の整備である。云々。
 という話の中で、インターネットの歴史と基本的な仕組みを説明し、脱パソコンの動きも説明し、すごい情報量。しかもかなりわかりやすかった。
 後半はパネルディスカッション。坂村先生と、IBM東京基礎研究所(@中央林間)の岩野和生所長、大和市の土屋侯保(きみやす)市長、それに司会がNHK放送文化研究所の長屋龍人(たつひと)研究主幹。
 岩野氏の話はIBMの研究→製品という流れが見えて面白かったし、土屋市長もおもしろそうな人だったけど、それにも増して坂村先生は「超漢字」を手にしていよいよ意気軒昂というか怪気炎というか、大変な勢いだった(ひとがしゃべってるときにまで黙々とデモすんのはちょっとやめてほしかったなー)。情報インフラとしての文字コードの話をして、こんな字もちゃんと出るんですよ、と「龍」の字の横棒のところに点のある字を出してみたら、実は長屋龍人氏の龍の字も本当はそうだったのが、役所のコンピュータでは出ないもんだからいろんな手続きのたびに一文字だけ手書きで入れていたのがあまりにも面倒なので龍の字に改名しちゃったんです、という話が飛び出したりして、えらい盛り上がる。
 坂村先生の話にはどうも自尊心というか素朴なナショナリズムを刺激する部分があるようで、最後の質疑応答のところでは、戦時中にジェット戦闘機の開発をやっていたというおじさんが出てきて、IBMの製品を初めて見たときの話とか、ほとんどよくわからないがなんだか感動的な自分史混じりの日本の技術開発の歴史と誇りの語りを語って、なんだかとってもいい集まりだったような気分が盛り上がった。もし出口のところで「超漢字」の予約を受け付けてたら気分で注文した人がいたかも、という感じ。
 BTRON用の堅牢なデータベース・システムがあれば、役所で「超漢字」がどんどん導入されたりするんだろうか。
10月2日(土)
東海大相模祭(東海大相模中高)
 近所の中高一貫校の合同文化祭。文化祭ってどこでもたいてい無駄なテーマが設定されてるけど、ここの今年のテーマは「infinity〜無限の可能性〜」。しかしパンフレットの序文を見ると実行委員長は「infinity〜無限大の力〜」と書いている。どうでもよさげ。
 そもそも学校がデカいからか(高校三年生なんか18クラスもあるらしい)、とにかく人が多い。展示のボリューム的には町高祭とは比較にならない規模だ。校舎もデカいし。
 いちばんはりきってやってるように見えたのは模擬店(利用しなかったけど)。すべて食券方式。生徒たちは、お店を出してるグループ(大半はクラス単位)ごとに、みんな揃いの色のエプロンを着けているのだが、それにサインペンでお互いいろいろ落書きしあうというのがここの思い出づくりの方法らしい。なんか必死というか、人によってはかなり強迫的にエプロンの空白を埋めて回ってるようにも見えた。残念ながら僕はこういう文化が全然まったく本当にまるですっかり微塵もわからない。“思い出”なるものを捏造しあってるようにしか見えない。みなさんネクサス6ですか。
 部活はけっこう活発にやってるところがいくつかあった。たとえば化学部は近隣の水系の水質調査なんかをかなりしっかりやっていた。ように見えたけど、その研究成果をまとめた冊子は厚すぎてちょっともらう気になれなかった。ああいうのこそウェブに乗せるのが効果的なんじゃないかなあ。
 いろいろ見たなかでいちばん面白かったのは、華道部の展示。でもノートに感想を書こうとして手が止まる。よく考えたら、生け花を見た感想を言語化するのはこれが初めてだった。評論を読んだことすらない。でも好みの作品というのははっきり目前にあったので、見ながらむりやり書いてみた。よく考えたら手で字を書くのもひさびさで、読めない文字が出力される。
 いろんな展示見て思ったけど、やっぱり自分はこういうところでは基本的に、展示物を見たいんじゃないのだ。説明聞いたりするのが楽しい。だいたい、現物見ただけで感心するような展示がそうそうあるわけもない。
 それにしてもしかし中学生はガキばっかりだった。展示が行われているはずの部屋で、外部への想像力を欠いた生物が集まってギャーギャー騒いでたりして、だいぶ呆れてしまった。まともな応対のできる子もいるにはいたけど。
 野球部はこの日どっかで試合をやってたみたいです。
Kおじさん家(浦安・望海の町)
 こないだ入院してたときお見舞いに行ったKおじさん家(ち)に夕食をおよばれ。
 京葉線で新浦安へ行かないといけないのに、地下鉄乗ってるうちに勘違いして東西線に乗りそうになった。それは浦安。東東京はぜんぜん慣れない。
 行く途中で電話してみたら留守電だったんだけど、着いてみたら、もう来ないのかと思った、電話ぐらいくれればいいのにと言われる。実はメールに書かれていた番号が間違っていたのだった。ワケわかんない留守電入れちゃった家の人すみません。間違えた番号はわかってるけど、間違い電話のお詫び電話なんてのは実質手の込んだイタ電だよなあ。
 新浦安から海のほうへ行った高層住宅の26階。ベランダからは、房総上空を通過して続々と羽田空港へ向かう飛行機がよく見える。左手にザウスと幕張のビル群、右手にディズニーランド。窓ガラスは潮風で白くなりがちな感じ。
 このあたり、町並みはけっこうきれいに整備されている。ただしここより海寄りの土地はまだ何も建ってなくて、いかにもセイタカアワダチソウの生えそうな風景。当然、双眼鏡で下を見てみる。黄色い花は見えない。
 三人でなんだかいろいろ話しながらおいしい料理をたくさん食べてお酒も飲んで、まだ日付の変らないような時間にはもう気持ちよく寝てしまった。とってもリラックス。
 テレビで戦艦大和やってたけど、いかにも民放くさい番組だったので興味が失せた。
10月13日(水)
ムーンライダーズ・ライブ(渋谷クラブクアトロ、19:30〜)
 渋谷2デイズ、きのうはアコースティック篇だった(らしい)。きょうは電気篇。ゲストとかはなくて、いつものメンバー、いつものポジション。曲は新旧とりまぜいろいろと。
 白井良明の二本首のギター「ギタギドラ」とタッチパッドつきのギター(名前知らない)、実物を初めて見た。
 それにしても狭い。会場入って、中へ進みにくかったのでテキトーなところにいたんだけど、それでも始まったら人が動くもんだと思ってたら、最後までそのまんまでした。ちょっと失敗。
 帰りに17日のリキッドルームの切符を買った。
10月17日(日)
ムーンライダーズ・ライブ(新宿リキッドルーム、17:00〜)
 13日に、きょうは4時開場即開演かも、などと言っていたので4時前に行くと、ちょっと遅れそうだとのこと。階段で開場待ちしてたら、大学のゼミが同じだったKAさんとばったり(偶然とは言わない)。しかしことさらに何もない。うーん。
 入ると音楽が鳴っている。開演までは“初挑戦”白井良明のDJタイムなのだ(即開演というのはこのこと)。しかし客はみんな踊ってるわけでもなくだらだらしている。
 やっぱりハコ的にはこっちのが断然いいな。見るにも聞くにも適度な広さ。あたりを見回すと招待席に庵野秀明の姿を発見。ほかにもどっかで見たような人が何人もいたけど特定できず(あんまりジロジロ見るわけにもいかん)。
 曲目は2デイズと基本的には変化なしなんだけど(そりゃそんなに違えてやってたら大変だ)、アレンジがだいぶ違って、すげーいいノリ。単純な話、やってるほうもクアトロより演奏しやすいのではと思うところもなきにしもあらず。客も踊るスペースがあるし。途中でアコースティックバンドに化けたりもして、ボリューム的にもバリエーション的にもお得な感じ。これだったら渋谷のは見なくてもよかったかもと思った。
 帰り際、前の前の会社のMAちゃんとばったり(偶然とは言わない)。というか大学の知り合いで、彼女の紹介で就職したのではあった。僕はやめたけど彼女はまだ続いてる。湾岸スタジオへ遊びに行ったこともあるという、わりと筋金入りのムーンライダーズ・マニア。いちばん最初に会ったときもムーンライダーズの話をした記憶がある。渋谷2デイズは12日に見たそうだ。きょうはこれからまた会社で仕事の続きだというので駅までボチボチ話しながら歩く。
『π』(シネマライズ渋谷、21:20〜)
 話し足りない気分だったので渋谷へ出てOくんとOさんがブラブラしてるのに合流。久々にゲーセンでゲームなんか(「サイレント・スコープ」と「スリルドライブ」)やったあと、シネマライズで『π』。20人ぐらいかなあ。色の付いてない、安く作った映画で、道路にπの字をペイントして宣伝してた、というぐらいしか知らずに見た。
 うーむ。
 前に新潮社から出た『聖書の暗号』(読んでないけど)と同じぐらい論理的かも。ぜんぜん数学的でない、シンピテキな映画だった。謎が謎を呼んでそのまんま、とか、よくわかんないけど“世界の真理”とか、妥協しない登場人物とか、過剰に具体的な描写とか、全体に楳図かずお風。学生映画か映画かといえば、映画に入れてあげてもいいかも。『WAX』よりは寝ずにすむかも。
 帰り、歩きながらマンガの話とか。『ベルセルク』はやはり読まずにおれないか。コミックビームの宣伝をする。ヤンマガの『ユキポンのお仕事』が面白いという合意がとれたのでうれしい。
10月23日(土)
シンポジウムの懇親会(梅根記念図書館の会議室)
 人間関係学部の「変わりゆく家族」という公開シンポジウムの懇親会。なんで懇親会なのかというと、僕が大学に着いたのがシンポジウムの終了時刻だったからだ。躊躇したけど「いいじゃない」と言ってくれる人がいたので寄ってくことにする。シンポジウムの内容は、町田地域を対象に行った家族意識についての大規模な調査にもとづいた、岩間さん井上輝子さん三橋さんの報告とか。ようすを聞くと、参加者の関心も高くてえらい盛り上がったらしい。もったいないことした。隣の会議室ではシンボル文化研究会の懇親会。
 人間関係の資料室へ流れて飲む。三橋さんなんかと学祭のこととかいろいろ。たべものの代替不可能性(僕はたべものと金銭の交換にうまくなじめなくて、しかし本質的にはそれでいいと思っている)について鈴木剄介さんとちょっと話せてうれしかった。紀要期待してます。
 その後、民差論OBのOnさん(Tさんがよろしくと言ってました、って全然わかりませんね)とDとともに大将。カウンターはひさびさ。大将を出たところで松枝さんをつかまえて学祭の話を聞く。うーむ、そういうことだったのか。と思った直後にモスで学祭機構のSくんとMさんと5人で学祭の話ができたのはとってもラッキーだった。僕は途中で寝ちゃったけど、きっと有意義な話であったことでしょう。起きたら4時で、Onさんだけ残っててくれた。ありがとうございました(ってここで言ってもダメかしら)。
10月27日(水)
パーティー(市ヶ谷)
 Tのパパだか彼氏だかというNさんの事務所の引越し祝い。いっしょに行くはずだったOさんとAちゃんは二人とも体調悪くキャンセル。
 線路端に新築なったビルに建築事務所と共同入居、なかなか景気がいい。会場はNさんのオフィスを机だけ片付けて使っている。まあ個人オフィスなのでそんなに広いというわけでもない部屋。着いたころはザーザー降りの雷雨だったけど、そこそこ人は来ている。当り前かもしれないけど若い人がいない。
 Nさんは橋本治にちょっと似ているが顔も体格もそれより煮詰めた感じ(どんなだ)。歳も同じぐらいなのかな。適当にあいさつする。Nさんの仕事は、プランナーというのでしょうか、よくわからない。本人もたぶん「よくわからない」と言うと思う。
 こういう場で便利であろう『話の話』の狼のTシャツを着てったら、Ntさんが反応してくれた。なんとラピュタの設計をした人だという(『話の話』のTシャツはラピュタで売ってるもの)。大きな瓶(かめ)入りの紹興酒をどんどん飲みながらいろいろあそこの裏話表話を聞いた。うーん面白い。だいたいそのへんで居場所が固まって、けっこう長時間飲み食い。同じくラピュタをやった構造屋さんとか、機織りをやってる人とか、フリーライターの人とか、話しただけでもいろんな人が来てました。
 一次会がお開きになるところでTとNさんとともに帰ったのが、起きたらいきなり本厚木でびっくりする。ふだん最終電車は相武台前止まりだから、ここまで来ちゃったのは初めて。中途半端に時間が早かったのがいけない。さすがに歩けない距離なので、五月台(!)まで帰るという女の人とタクシーに同乗して戻る。ちょうど飲んだぐらいの出費になって、あんまり損した気はしなかったけど莫迦。
松永洋介 ysk@ceres.dti.ne.jp