大学で何を書いたか

1999年7月20日

ゼミ

子ども文化研究ゼミ

 酒寄進一先生のゼミ。毎年さまざまなテーマや方法を採っています。たとえば1997年度は『はてしない物語』をテッテ的に読んでいました。1998年度は海外研修で休みでしたが、1999年度はグリム童話を読んでいます。

 和光大学人文学部文学科、酒寄ゼミの1994年度ゼミ論集。
 この年のゼミは、脚本家倉本聰の代表作であるTVドラマ『北の国から』(フジテレビ、1981〜1982年)を題材に、さまざまな話題を扱いました。主たるテキストは、脚本集『北の国から 全一冊』(理論社、1993年)。もちろん本編も見ました(LDボックス『北の国から』ポニーキャニオン)。実は僕はこれで初めて『北の国から』を見た。
 授業の進行は、前期は1話から10話までを毎週一話づつ見ていき、夏休み前には11話から24話までを一気に見る機会を設けました。夏には、もと長野の岡谷にあったのが山梨の山ン中に移築された舞台建造物「自然舎(じねんしゃ)」(北巨摩郡須玉町上津金)で、ちょっとワイルドな感じの合宿(建物が未完成だったのだ)。後期は本編から派生したいくつかのテーマを設定し、担当グループ毎に議論を重ね、発表を行いました。
 このゼミ論集に載っている文章は、発表後にそれぞれのグループでさらに考察を加え、まとめたものです。僕らのグループが担当したのは“『北の国から』というフィルターを通して見た倉本聰の自然観”についてでした。だがしかし。

 僕の手許にある電子化テキストは、この自分のグループの「自然観(クラモチズム)」だけで、他のはありません。電子化・HTML化の予定も(少なくとも僕には)ありません。目次・奥付参考文献一覧だけは電子化してあります。


辞書ゼミ

 山本清隆先生(いま信州大学)の日本語学ゼミ「国語辞典を考える」で書いたもの。いろんな国語辞典を並べて読んで、あっちをつつきこっちをつつきしていました。今読むと註釈を付けたり削除したい箇所も多くありますが、全面的に知らん顔をします。

 ところで国語辞典というのは、丸や四角で囲まれた漢数字や算用数字、いろんな形の括弧など、JISコードにない文字がやたらと使われています。授業のときは印刷物があればいいので、“ない文字”については外字(現在のBTRON製品にはないが、当時は間違って搭載されていた機能)を使ったり図形を埋め込んだりするので用が足りていました。しかし、HTMLに変換すれば、それらの情報は失われます。
 それではどうすることにしたかというと、テキトーです。あるべき記号の欠落や外字コードの混入があるかもしれません。気付いたときに掃除するつもり。



講読の授業

若者文化の磁場

 1995年度の酒寄先生の講読の授業「若者文化の磁場」での発表レジュメとその叩き台。内容的には、四方田犬彦『漫画原論』(筑摩書房、1994年)から、著者の主張を要約してコメントしてあるだけですが。
 このとき、サブ・テキストとして別冊宝島EX『マンガの読み方』(宝島社、1995)が推奨されていました。この二冊を読めば、技術としてのマンガの読み方は大体分ると思います。

 叩き台の方に、当時ジャンプでやっていた『密・リターンズ!』のことが書いてあります。いま考えてもやっぱりひどいと思う。話もそうだけど、連載時、毎回最終ページの下に書いてある“××号に続く/次回「△○□」!”という予告サブタイトルがもう完璧パクリだったりしました(それで翌週違うサブタイトルで掲載される。だからコミックスだと分らない)。担当編集者の悪知恵だったのかなあ。本人に訊くとかはしたくない気分だけど、未だに気になるものではある。……何のことを言っているのかは本文参照。

松永洋介 ysk@ceres.dti.ne.jp