リザルトカレンダー:2月

2月の経過
  1
『アメリカン・グラフィティ』『顔のない天使』
2 3
『カンゾー先生』
4
映画『ファイト・クラブ』
5
6
『仮面の男』
7 8 9 10 11 12
みず谷なおき追悼原画展KAI KAI KI KI Super Flat展
13
「絵画は冒険だ 猪熊弦一郎のパリ・ニューヨーク」『シティ・オブ・エンジェル』『エンパイア・レコード』
14 15 16 17
研究室の引越しの手伝い
18
映画『ターザン[吹替版]』
19
「日本・映像の20世紀 香川県」
20
猪熊弦一郎展秋葉原
21
「デジタルと人間の未来 知の蓄積がはじまった」
22 23 24 25
ランドネットからの荷物
26
27 28 29
『華麗なるヒコーキ野郎』『ジョーカー野郎』
 

2月の感想

2月12日(土)
みず谷なおき追悼原画展(京橋・GALLERY KUBOTA)
 人間、死んだらおしまいなのではあった。それもそれはそれでいいんだけど。
 僕なんかはやっぱり『人類ネコ科』がすぐ出てくる。きれいな、ちかごろあんまり見ない気もする種類の線が印象に残る人。原稿とかも絶対きれいだと思う。
 八重洲ブックセンターのとこで、この追悼展を見るために一時帰国してきたTさん(明日には那覇へ戻る)と待合せ。しかしふたりとも会場をうろおぼえで来たもんだから近辺を目的外散歩することに。じつにいいかげんだ。そのうち表にあやしい人たちの屯してるビルを見つけたので行ってみるとそうだった。
 2フロア使った展示。壁にはかなりの枚数の原稿がズラーッと並べられて、原画を見るというより壁マンガを読む感じになっていた。人が壁に向いてぴったり並んで、じりじりと進む。へんな光景。それにしても男ばっかりだ。こんな読者層だったのか?
 完成原稿のほかに、遺稿集にも収められている設定書や絵コンテが多く並べられている。絵コンテといっても、こまかいとこまでばかみたいに描きこまれていて、ほとんどそのままマンガとして読める。去年発表する予定だったという読切り作品の隅のほうに「ネームでここまでやってどうする」という本人のツッコミがあっておかしかった。
 ほかに『バーバリアンズ』の続きとか『Hello! あんくる』の最終話の検討稿とか。そうか、死んだらもう描けないんだなー。
 マンガ読まなきゃ。
2月17日(木)
研究室の引越しの手伝い
 大学の新しい建物の運用が新年度からはじまるのにあわせて、研究室はみんな引っ越すことになる。荷物は3月の頭までにかたづけないといけないんだけど、酒寄さんはそのころヨーロッパにいるので、出発前にやってしまうのである。
 作業は午後から、助っ人はKtさんとOHさんと3人。主にはやっぱり本の梱包。廊下に重ねてある段ボールをとってきて組み立てて、どんどん詰める。本はドイツ関係のものと児童書とマンガとがほとんど。スチールの本棚5本分だけど、段ボールに詰めて重ねていくと、すごくたくさんに見える。
 いろんな判の本があるわけで、あんまりきちきち詰めようとか思ってもしょうがないんだけど、それにしても絵本類のサイズの不統一はムチャクチャだ。こんなバラバラにする必要があるとはぜんぜん思えない。なんかいいことあるのかなあ。
 夕方までにはなんとかだいたい処理した感じ。思ったよりはスムーズでした。
 新しい建物は、外観はできてるけど、中はまだ工事中。新学期から使うといいつつ、新しい研究室に入居できるのは4月の8日とからしい。梱包した荷物はひと月塩漬けにされちゃうから、その間に使うものは持ち出しとかないといけない。そして入居したと思ったら一週間後には授業がはじまる。どういうスケジュールだ。
 帰り、ピリカでいろいろ話しながら晩ごはん。これがきょうの報酬でした。
2月20日(日)
猪熊弦一郎展東京ステーションギャラリー
 TとKさんと。待合せにやたら時間がかかった。
 今回の展示はニューヨーク時代の作品が中心。代表作は丸亀の猪熊美術館(http://web.infoweb.ne.jp/MIMOCA/)で見たことがあったつもりだったけど、量的な把握はぜんぜんできてなかった。都市のモチーフから抽象表現に移行して、ひたすら枚数を重ねるなかで“持ち駒”がじりじりと増えてってるのがおもしろい。
 僕なんかがこれが猪熊弦一郎の絵だと思っていたもの(うちの高校の図書館にある壁画とか)は、晩年になって出現したタイプの作品だったんだなーというのが、先週の新日曜美術館とあわせてよくわかった。
 でも、そういう刷り込みをさしひいても、あとになればなるほどいい感じになってるような気はするな。変化しながら長いこと生きて絵を描きつづけた人の足跡をながめるのは楽しい。
2月25日(金)
ランドネットからの荷物
 予定では29日だったのがきょう届いた。これでやっとモデムが使える。ペリカン便のおじさんによると、朝から同じものをたくさん配っているらしい。
 内容は『ランドネットディスク』『シムシティー64』『マリオアーティスト タレントスタジオ』(キャプチャーカセットつき)、それからチラシが『ランドネットFAN』と『巨人のド新聞』。
 箱にしまってあったモデムをさして、ランドネットディスクをセットして起動……はせず、ひととおり説明書を読んでみる。だいたいわかってから登録作業。
 アクセスポイントはとりあえず東京にしかない。ウェブTVみたいにほかのプロバイダ経由で使えるようにならないかな。
 サーバー側の設定変更とか、メールとかブラウズとか、それぞれ一度の接続で同時にはできなくて、いちいち電話を切る設計。それはいいとしても、モデムが信号音を確認せずにダイヤルしちゃう設計なのは謎。
 ブラウザのソフトは例によってアクセス製なので、まあ堅実。操作方法は64のコントローラをフル活用してて独自性が感じられる。3Dスティック+RABCZのソフトウェア・キーボードはなかなか発明。でも思ったほど使いやすくはない。慣れの問題か。
 画面はすごくきれい。文字はすべて丸ゴシックで大きさも統一、レイアウトのための小細工はほとんど無視。ステキ。画像は半分ぐらいのサイズに縮小してレイアウトされる。サイトによっては、うちのコンピュータで見るより快適かも。よかった、すっかり無駄にはならなくて。
 ところでしかし個人的には今回の目玉は『巨人のド新聞』なのだった(なんたることだ)。
 『巨人のドシン1』の補助ディスク『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』の予告だかなんだかわからない記事によると、きたる1996年春に臨海副都心で開催される「世界ドシン博」での巨人のドシンの展示中止と開放を訴えて「ド解戦(巨人のドシン解放戦線)」がランドネットディディに押し入ったそうだ。トラメガと黄色いヘルメットにゲバ文字で「ド解戦」とマーキングして、「ドシン博粉砕」というビラを撒いている写真が。ドシン博のテーマ「人類とヘンポの調和」は欺瞞だ。
 一面の下に出ているドシン博の広告では、マスコット・キャラクターの「東京大使」、じゃなくて「マッチーくん」が「おいでよ! ドシン博」と言っている。行こうかな。都庁でグッズ売ってないかな。
 まあふつうの記事もあって、須田剛一(『トワイライトシンドローム』とかの作者)インタビューとか、飯田和敏の「日本ゼロ年」展レポートとか。それにしてもいろいろ過剰だ。
 この過剰さは、64DDの迷走が生んだ成果なのか。
松永洋介 ysk@ceres.dti.ne.jp