リザルトカレンダー:7月

7月の経過
  1 2 3
都立中央図書館東京タワー愛宕山『ゴジラ』
4
近所のイトーヨーカドー『ゴジラ』
5 6 7 8
江戸東京たてもの園タンポポハウスアフガニスタン料理の夕べ
9
映画『ゴジラ』
10
『スワンプ・ウォーター』『沈黙の断崖』『スカーレット・レター』
11
『エピソード1』メイキング、『四月物語』『スクリーム2』
12 13
映画『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』
14
国立東京第二病院
15 16 17
映画『ホーホケキョ となりの山田くん』『サイゾー』8月号鈴木酒店
18 19 20
『マーズ・アタック!』、『エピソード1』メイキング
21
模擬授業「『もののけ姫』を読む」
22 23
相模原職安
24
転景 TOKYO STYLE360°映画『ダーク・スター』
25
映画『ガメラ3』秋葉原
26 27
近所のイトーヨーカドー
28 29 30 31
宇宙科学研究所一般公開

7月の感想

7月3日(土)
都立中央図書館
 ここは何回かお世話になってるけど、今回初めて行くんだったりはする。なんとなれば、必要な資料はぜんぶ町田の中央図書館で取り寄せていたからだ。きょうは新聞の複写なので直接行くことにした。
 それにそもそも、相模原市民は去年の12月から町田の図書館でも本を借りられるようになったんだけど、リクエストはできないのだった。前は“市内在学”だったから自由に使えた。そうだなあ、和光大学の所在地が川崎市になっちゃったら、図書館については致命的に不便だな。新A棟は町田側に建てて正解(建物の立地的にはどうかと思うけど)。
 新聞というのは香川のローカル紙『四国新聞』で、これが東京ではなかなか入手しづらい。帰省中にスクラップしとけばよかった。そんで何を複写したかといえば、『バトル・ロワイアル』の高見広春氏に言及したコラム。近いうちに載せます。
東京タワー
 図書館を出るときは雨が止むか止まないかという感じで、しかしバラバラと降ってたんだけど、傘持ってなかったので構わず歩く。麻布十番の辺りを探検しつつ、フラフラと東京タワーに吸い寄せられていく。
 なんたっていちばん好きな建造物は東京タワーである。どの建物が好きかと言われても、東京タワーだけはカウントしないぐらい好き。ゴジラ映画でどれが好きかと言われても昭和29年の『ゴジラ』はカウントしないのと同じで、偉大なる別格なのだ(無効な比喩かな)。登るのが好きなのではなくて、そこに建ってることが好き。
 ときどき、昭和三十年代の東京タワーを見たかったなと切実に思う。『モスラ』の大俯瞰のショットで、東京タワー以外は平板な東京のミニチュアを見て、手抜きかと思っちゃったことがあるけど、当時は高層ビルも高速道路もなかったんだよね。すごかっただろうなあ。未だに日本一高い建造物ではあるけど、その意味がぜんぜん違う。
 記録映画の『偉大なる建設』って、今どうやったら見られるんだろう。もしかして竹中工務店が持ってるのかなあ。
 離れたところから見る東京タワーだと、南武線から見えるのはちょっといい感じ。あと、小田急線の登戸(のぼりと)あたりからも、晩になるとライトアップされたタワーが小さく見える。
 東京タワー以外に東京近辺で今いちばん好きな建物は、東京国際フォーラムのガラスホール棟。ニラハウスも相当好きだけど、個人宅だからあんまり楽しめない。(「ニラハウス」で検索:ヤフー/gooインフォシークフレッシュアイ
愛宕山
 東京タワーから愛宕山へ。標高26メートル、23区でいちばん高い山なんだそうだ。馬での上下は難しそうな階段を上る。曲垣平九郎(ATOK9は変換せず)は丸亀藩の人だったので、丸亀にはその名を冠した「平九郎」というお菓子があるのだ。もはやそれが何の名前なのかわかる人は相当減ってるだろうけど。(「曲垣平九郎」で検索:ヤフー/gooインフォシークフレッシュアイ
 あー、どっかでマンガで講談やらないかな。『蒼天航路』『バガボンド』の路線でモーニングはどうかしら。講談社は自社資産の活用にもなるし、ネタは腐るほどあるし。少年誌のほうがいいかなあ。
 愛宕神社は今年も6月24日にはえらく賑わったはずけど、今日はとても静かだった。神社の飼い犬のすごくヨボヨボの犬がいないのは雨のせいかと思っていたら、2月に死んだんだそうだ。一方、すごくやる気のない野良猫は相変わらず放送博物館前のベンチにいた。しかも増えていた。みんなおんなじ柄。
 JOAK発祥の地、NHK放送博物館。何回も来てそうなもんだけど、実は初めて入った。ワイヤーレコーダーとか、2インチのビデオとか、初めて実物を見る装置がたくさん置いてある。資料価値高しって感じ。
 古いテレビにかかってたニュースで、東京タワーの建設費が28億円だったのを知る。すげえ。
7月4日(日)
近所のイトーヨーカドー
 ペプシのキャンペーン中。きのう、500mlボトルの首についてる袋を片っ端から触りまくって、中のボトルキャップの種類を探ってる人たちがいて、マニアは大変だなあと思った。きょう行ってふと見上げると、ソフトドリンクの冷蔵ケースの上に、ペプシがずらりとディスプレイされている。もちろんボトルキャップ付きだ。そんで、なんと「このままレジでお買い上げになれます」の表示。買うしかないでしょ。吟味するつもりでよく見ると、ダース・モールとアミダラがない。パドメはあったけど。結局アナキンとダース・ベイダーを購入。1本125円。今それぞれ、焼酎とワインの瓶の頭につけています。
『ゴジラ』(WOWOW)
 1984年版。中学んときに丸亀駅の裏の映画館(もうない)で見て以来なのかなあ。むちゃくちゃ古く感じる。米ソは冷戦やってるし、新幹線は0系だし、新宿のビルが少ないし、NECのロゴは昔のだし、警察の制服は古い。出演者はみんな若くて、アナウンサーは森本毅郎だし、沢口靖子は大阪弁が抜けてない。お、銀座にワールドファイナンスの看板発見。「ローンズワールド」て書いてある。
 平成ゴジラシリーズにも出てくる、神の視点で怪獣の実況中継をしてくれる“魔法の鏡”が首相官邸で大活躍。あれは実に不思議なものだ。
 場面のつながりのおかしいところや、ダラダラした展開が気になる。でもまァ、つまんない日本映画としてはけっこう楽しめる方じゃないかなあ。情報量は思ったより多かった(ただし、それがおもしろさにつながってはいない)。小六禮次郎(できるかな)の音楽もそこそこいい線だと思う。あ、某新作の監督が助監督だったのか。
7月8日(木)
江戸東京たてもの園
 移築保存した東京の建築物を公開している、江戸東京博物館の分館。武蔵小金井駅でひさびさのHと待ち合わせ、僕は自転車で、家から1時間45分ぐらい。駅から、Hの通っていたという高校の横を通って歩いた。玉川上水を渡って、大きな公園の中にある。300円。
 思っていたよりずっと広く、本格的かつ徹底的な施設だった。どの建物もよく見ようと思ったら、一日では回りきれない。通りがかりの人も「一日がかりですよ、お弁当持って来なきゃ」と言っていた。建物の移築や維持管理に莫大な労力が投入されている様子が端々からうかがえる。なんたって、ひとつの建物に一人以上の案内の人がいて、いろいろ説明してくれるのだ。きょうはたまたま燻煙の日らしく、茅葺きの家はどこも火が入っており、それぞれボランティアの人が竃や囲炉裏の番をしていた。毎日人が住んでる状況だともっといいのにな。
 お昼は園内の武蔵野手打うどん。麺が白くなくて、雰囲気のある味だった。高橋是清邸ではピラフなんかも食べられるようだ。
 ミュージアム・ショップで売っていたたてもの園の解説本、なぜか制作がスタジオジブリ。まァ近所は近所だけど。と思ったら、その中で宮崎駿や高畑勲が藤森照信なんかと対談していた。うーん、好きなことしゃべってるなあ。わかるけど。
 宮崎駿の描いたテキトーなマスコット・キャラクターの名前は「えどまる」になったそうだ。受付に大きなぬいぐるみが置いてあるのを見て、ちょっとどうかと思った。
タンポポハウス
 たてもの園から、国分寺市某所の藤森照信自邸タンポポハウスを見に行く。僕は自転車で、Hはバスと電車で移動。
 所在地はどうやって調べたのかというと、去年ギャラリー・間でやってた「野蛮ギャルド建築展」の展示物からメモした。藤森氏はアイディアをそのへんの紙に書きつける習慣があって、たしかニラハウスのスケッチだったと思うけど、本人宛の封筒の表に書かれたものが展示されていて、結果的に住所も展示されていたのだった。しかし何にせよ住宅街の個人宅なので、あんまり大っぴらに見学することはできない。
 で、実際に見た感想は「要塞みたい」。鉄平石(てっぺいせき、藤森氏の故郷諏訪地方特産の石。茅野市の神長官守矢史料館、天竜市立秋野不矩美術館でも使ってる)で屋根と壁面が固められていて、とても強そうである。まあそれは写真で見た印象の再確認だったんだけど、実物を見ての発見としては、屋根の上に突き出した角(つの)がすごく変だった。あと植物が増えていた。思ったより広い家のようだ。見てるうちに奥さんらしき人が軽自動車で帰宅したので、曖昧な会釈をして立ち去る。
 ニラハウスが「ほー」とか「へー」て感じだとすると、タンポポハウスは「あー」という感じ。ちょっとすごい。
7月9日(金)
『ゴジラ』東京国立近代美術館フィルムセンター
 9割かな。年輩の人が多い。昭和29年版、先週WOWOWで見たばっかりなんだけど、なんかひっかかってたので行ってみた。映画で見るのはこれが初めて。410円。
 フィルムで大画面で見たら特撮のあらが目立つかなと思ってたんだけど、逆にすばらしさにびっくり。5万ボルトの高圧電流を流す防護柵の鉄塔のマット画合成とか、テレビで見るよりずっと説得力があった。大戸島八幡山のゴジラ初登場シーンも、ものすごい迫力。宮崎駿が“満員の観客の頭が一斉にのけぞった”と語った状況も、やっとリアルにわかる気がする。
 今まで思わなかったほどの恐怖感・切迫感があった。さすがに「さようならみなさん、さようなら!」の実況放送のシーンは、あまりといえばあまりの状況にザワザワと笑いが起こっていたけど、全体には痛すぎ。被災した少女に向けたガイガー計数管がジジジジジと鳴ってる場面とか、芹澤博士の苦悩と尾形の無関係さとの対比とか見ていると、なんだか涙が出てしまった。テレビじゃ出たことないのになあ。
 予備知識云々は置いといても、この作品とスクリーンで出会わなかったことは不幸なのかもと思った。
 帰りに銀座を歩いてみる。和光の時計が11時になる前には逃げなきゃな。マリオン周辺では8時30分の時点で140人ほど並んでいた。コスプレはなし。ふーん、やっぱり並ぶんだなあ。少なくとも9割はもう見た人だろうけど。日比谷みゆき座の前夜祭オールナイトも行列があったけど、こっちは“もう見た人率”はちょっと低そうだった。
7月13日(火)
『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘3番シアター、21:55〜)
 25人。題材とかロゴとかインディ・ジョーンズのモロパクリなので「もういいよ」と思って敬遠してたんだけど、こないだKくんが『ザ・グリード』(僕は見てない)の結果をもとに期待を表明していたので見てみた。ムチャクチャ面白かった。なるほど、各キャラクターの性格付けがはっきりしていて、テンポよく臆面のない演出・展開が気持ちよく、昔のスペクタクル映画の雰囲気もあり、かつ現代的に仕上げられていて、楽しかった。特撮はILMの本領発揮という感じ、砂や虫もいいけどミイラが最高。ゴールドスミスの音楽もオッケー。
 ありがちな展開の嵐だけど、「手に汗握る」という表現がぴったり。いろいろよく考えて作ってあるのが伝わってきて、うれしくなった。うん、『ザ・グリード』は近いうちに見よう。
 同じ時間帯に『エピソード1』を2スクリーンでやってたせいか、すごい人出だった。ふだん平日こんなに人いないのになあ。しかし、スター・ウォーズに特に思い入れとかないんだったら、断然『ハムナプトラ』をおすすめしちゃう。なんたって楽しいし、僕はインディ・ジョーンズ・シリーズより面白いと思った(とかいって僕は『魔宮の伝説』『最後の聖戦』は最初からしんどいんだけど)。
 『マトリックス』の予告をやっていた。後ろの席のギャルが「ちょーむずかしー」と感想を述べていた。あの撮影法はもしかして『ロスト・イン・スペース』でも使われていたのかな。いちいち3DCGに起こしたのかと思ってた(1カットしか出てこなかったし)。『オースティン・パワーズ:デラックス』、メル・ブルックスの『スペースボール』を思い出した。この機会にリバイバルしないかな。しないか。
7月14日(水)
国立東京第二病院(国立東京病院医療センター)(駒沢公園向い)
 TとOさんが自然気胸のシリツをしたSちゃんのお見舞に行くというので連いてった。豪徳寺から世田谷線で三軒茶屋、新玉川線で一駅、駒沢大学から歩き。バスを使いこなせないとこういうメンドーなことになる。
 気胸(ききょう)というのは、簡単にいうと肺と胸郭のあいだにスキマができて(空気が入っちゃって)、ひどい場合には肺が縮んじゃって、呼吸がチョー困難になり、さらにその場にうずくまったきり身動きできなくなるほどの痛みが襲ってくるという、けっこう恐ろしい疾患である。事故でそうなるのと自然になるのとがある。
 もともと肺の肺胞には不良部品が何箇所かあったりするんだそうである。何かのはずみでその一つ(もしくは多く)がプチッといくと、肺から空気が漏れて胸腔にたまっちゃう。(この状態はレントゲン撮れば一発でわかる。)
 息を吸うというのは要するに、胸腔が肺をひっぱってふくらませることで中の気圧を下げて空気を取り入れているわけだ。だから、肺が胸腔からはがれちゃったら、もちろん呼吸はできなくなるのである。しかもこれがたいへんに痛い。どう痛いかといわれても「痛い」としか表現できないぐらい痛い。軽いやつなら僕も何度かやっているので妙に詳しいのである。あえて表現すると、心臓の疾患と勘違いしやすい感じ。胸が痛くなって、呼吸が苦しくなって、動作が固まる。僕も最初はそう思った。
 Sちゃんはひどい場合だったのでシリツをした。緊急措置として、とりあえず管を挿して胸腔の空気を抜く。その後胸を開いて肺の不良部分を処置するのである。胸の傷を見せてもらった。Sちゃんの話だと、ホチキスみたいな道具でパチンパチンと不良部分を留めちゃうんだそうだ。全身麻酔を受けた話は興味深かった。
 自然気胸は、やせ形の若い男性に多い。僕もSちゃんもピッタリである。僕は高校ンときに、たしか2月の11日に高松のライオンカンへ部活の1コ上の人(いまマンガ家のぶるまほげろー氏)とかと『ロボコップ』見に行くときに初めてなったのである。自転車で駅へ行く途中に、なんか胸で音がして、息が苦しくなったんだけど、無理しなければなんとかなる状態だったのでそのまま映画見て帰ってきたのだが、そういうムチャをしたのはもちろんそのときそれが何だかわからなかったからだ。映画見てる間、胸はポコポコいっていた。発症例は冬に多いそうだ。
 その後大学の何年かまでに4〜5回かなあ。ホントにちょっとしたはずみでなるので、けっこう恒常的な不安を抱いていたりはした。最近はぜんぜんやってない。胸もちょっとは厚くなった。
 病院の売店で明日発売のヤングサンデーを購入。バックヤードがないので、どうしても入荷即販売となっちゃうんだそうだ。いいこと聞いた。
 結局、面会時間の15時から19時までまるまる話していた。昼間からお見舞に来ることができるとは優雅な身分だ、という話も出たが、だがしかし。
7月17日(土)
『ホーホケキョ となりの山田くん』ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘7番シアター、12:00〜)
 初日二回目、50人。有楽町行こうかと思ってたけど、朝ごはん作って食べてたら行く時間がなくなった。
 単にアニメーションを見るつもりで行って、結果として、そういう鑑賞態度にはなりませんでした。しっかりした映画を楽しんだ。四分の一ぐらいは音楽が主役かも(矢野顕子とは限らず)。場内、何度も笑いが起きていた。楽しい映画。
 映画のキモとして、非凡なる「普通」が、主人公たちの当然の日常として出てくる。生活能力としての「適当」というか。いずれにせよ押しつけがましくなく、「老人力」的なヒネった表現でもなく、描写は成功してる。でも、人によっていろいろ意見はあるだろうとも思う。特に若い人は。(宣伝の「家内安全」はピントはずれかも。)
 この先に待ち受けているのは、もしかすると“すてきな出会い”のない『耳をすませば』や『魔女の宅急便』かもしれないと思った。思うと急に、一色伸幸版の『魔女の宅急便』(宮崎駿が「ドライすぎる」とボツにした)が気になってきた。どんなんだったんだろう。
 ジブリの次回作は『カイジ』か『ドラゴンヘッド』希望。あと今回の調子で『バイトくん』のTV化。
『サイゾー』8月号
 東京特集。東京タワーが見開きで紹介されていて、それはいいんだけど、写真が古いのは納得いかん。1996年からこっち、大展望台は白いのよ。これじゃ『ガメラ 大怪獣空中決戦』当時の東京タワーだよ。たぶんキノコも増えてるんじゃないかなあ。
 ジブリの美術館の疑惑。引っ張るなあ。『山田くん』の公開中はコトを起こしてこないと踏んだのかな。
 133ページのサムネールと実際の表紙のレイアウトが微妙に異なることを発見しました。
鈴木酒店
 行ったらたまたま陶器の展示販売とお酒の試飲会をやっていた。陶器は三浦の三崎のIさん夫妻の作品。ダンナさんは伝統系で、奥さんは造形系。賞もらったりして二人とも活躍してるそうだ。今年で5回目とのこと。
 ここんとこ、オーストラリアワインがいいらしい。確かに「ブラック・シラーズ」というのがちょっと画期的にうまかった。普通の「シラーズ」(これもなかなか飲める)の2倍半の値段なんだけど。イチオシの日本酒「大盃」(おおさかずき)の蔵元牧野酒造の純米酒を購入。
 最近お店にiMacの黄緑(って言っちゃダメかな)のやつが置いてあって、なんだかお店の人とIさんと3人でネット談義になってしまった。自分のURLを教えて、インターネット・ユーザーグループ042エリア倶楽部発行の冊子「相模原・町田のホームページ」というのをもらった。初心者向けのネット探検ガイドブック。印刷媒体ならではの一覧性が便利かも。
7月21日(水)
模擬授業「『もののけ姫』を読む」(和光大学J104教室、14:30〜)
 和光大学の受験生ガイダンスの一環。人文学部文学科言語文化関係、改メ、表現学部表現文化学科(予定)の企画。
 きょうは全学的に受験生ガイダンスで、受験生や保護者と思しき人が大勢来ていた。Jホールで全体説明のあと、各学科での説明。表現文化学科の説明には60人ぐらい(ピーク時)来た。部屋は満員。先生がたは上野俊哉(司会役)、岸田秀(人間関係学部人間関係学科から表現文化学科に移籍予定)、杉本紀子の三人。あと在学生ということで上野ゼミの人が何人も来て、教室のうしろの方にいる。
 まずは概要説明。表現文化学科が扱うのは、自分が読んだり聞いたりした話を整理し、自分の考えをまとめ、ひとに伝えるという、広い意味でのプレゼンテーションについて。表現とついているからといって、いわゆる表現者(クリエイター)の養成を目的にしているわけではない。そして、考えるのにはもちろん言葉を使うけれども、読む対象は書かれたものに限らず、映像、音楽、なんでもありであるということ。そのために入学試験では何よりも、大学でものを読んだりものを考えるのに必要な能力を問いたいらしい。たとえば外国語の試験は読解和訳が中心で、辞書持ち込み可だったりするようだ。あと、若干名のみ対象の、一芸入試に近いかたちの、とてつもない試験形式も用意されるようだ(詳細は9月に発表される)。
 僕は、人間関係学科も文学科も芸術学科も「人文学部」に収まっていた当時の和光の学科構成が好きだった。こんどの表現学部は、骨組みはいいと思う。あとは教員の体力と、入ってくる学生の考え方とかにかかっているのかな。ハマればものすごくいいものになるだろう。
 いつも授業でどんなことをやっているのか、『もののけ姫』を題材にいろいろ話してみる模擬授業。まずビデオプロジェクターで、映画の場面が二箇所かかる。ひとつは、タタラ場に迎えられたアシタカがエボシに「曇りなき眼で見定め、決める」と言い、エボシの秘密の場所に案内され、右腕の暴れるアシタカに長が話すところ。あと、タタリ神と化した乙事主から瀕死のモロがサンをとりもどし、現れた鹿神=デイダラボッチの首をエボシが飛ばし、首を失くした身体が膨れあがり飛び散ったところ。
 ホワイトボードには上野先生が簡単に書いた物語の分析図。「自然⇔文明」とかの対立項目がいくつもあって、この映画では一見このような対立項目を扱っているように見えるけれども、宮崎駿の視点はその両者をつなぐところにあるのではないかという話。アシタカ、サン、エボシ、それぞれ決まった領域に収まりきらない、はみだした立場にあり、媒介者(メディア)として機能している、云々。
 岸田先生は、映画は前に見たものの、よく覚えていないようす。具体的に作品にひきつけた話でなく、意識と無意識というのを考えたとき、その構造を人間に作られた作品に適用してみることができて云々という一般的な話になった。(これはまァ、文学科でやってるような授業形態にあんまり慣れていないからというのもあると思う。)
 杉本先生は、俯瞰のショットが多いのが気になるという。従来の作品のように飛ぶキャラクターが出てこないにもかかわらず、高い位置からすべてを俯瞰する構図が多いのではないか(作家の視線?)。
 参加者からの質問を受けたりしつつ、“宮崎アニメ”をずいぶん見てないと全部はわからないような話にまで進んだ。“少女”の取り扱い、宮崎駿の表現する“飛ぶ”ということの本質、その他いろいろ(ジェンダーという言葉が出たときとか、上野先生がいちいちわかりやすく説明していた)。
 在学生からも何か、というとき、Dが、構造の分析について、対立した概念をつなぐ位置に主なキャラクターがいるという図式はわかるが、それが作家の意図として安直な対立概念の適用に異議を唱えることになってはいても、まず対立や二分法を措定すること自体がそれぞれの概念の固定化につながるのではないか、という趣旨の質問を、ほとんど高校生には理解できないであろう言葉でする。いきなりそこまでとも思ったけど、なるほどほとんどの作品に顕在している家族主義とかセクシズムとかも、それは確かに問題だけど、うーん、だがしかし。容赦なしという感じ。
 やってる途中から空がどんどん暗くなってきて、滝のように雨が降り、雷がピカピカ光り、どんどん落ちはじめる。2時間ぐらいで止んだけど、朝は晴れてたのでびっくりした(部屋の窓あけっぱなしだったけど、帰ったらあんまり濡れてなかった)。
 山を下りて、上野ゼミの人と歌江へ行く。途中、上野先生に、なんでいるの? と訊かれてしまった。ホントのところ、ちょっと質問したいことがあったのではあったんだけど、質問しそびれてしまったのだった。うーん。
7月24日(土)
転景 TOKYO STYLE 360°エプサイト
 都築響一の写真展、きょうが最終日。ただし主旨としては「写真展」ではない。
 会場には4台のビデオプロジェクターがあって、それぞれいくつかの部屋のデータが示されている。マウスを操作して、そのどれかを選んで部屋に入ったら、表示された画像をぐるぐる回して、右でも左でも床でも天井でも、室内のどの方向でも見ることができるようになっているのである。なるほど面白い。いままでにない立体的な空間把握ができる。
 室内の鏡に映ったカメラマンの姿を見つけたりしていると、気分はESPERで写真を解析しているデッカードである。ただ、画像の解像度が低くて、室内の物品のディテールがほとんど確認できないのは、TOKYO STYLEの面白さの肝腎な部分が失われているのではないかと思った。
 ところで、こういうものを見るたび思うのだが、「360°」というのは、いったいどういう範囲を指すものか。最近だとオメガブーストがそんな宣伝文句を使ってたけど、しかし360°というのは、平面上を左右にぐるっと回るだけでも360°ではないか。スターフォックスのオールレンジモードとか。だからこれからは、全天周なら「360°×(仰角90°+俯角90°)」とかって差別化するとかしないかな(しない)。
 こないだ京都書院がつぶれちゃったということなので、この機会にと思って『TOKYO STYLE』の文庫版を買ってみる。けっこう古本屋で売ってる気もするけど。
『ダーク・スター』BOX東中野、19:00〜)
 ジョン・カーペンターの伝説のデビュー作、この回はファビュラス・バーカー・ボーイズのトークつきということで、何十分か前にはけっこうな行列ができていた。満員。
 20分間のトークでは、「土方(どかた)SF」という概念が面白かった。同じダン・オバノン脚本の『エイリアン』もそうだし、『トータル・リコール』の主人公も同じ、宇宙船に乗ったりとかはしてるけど、実質は組織の末端で働くしがない労働者で、これはP・K・ディックの主人公に共通のイメージでもあって云々というもの。ほかにもこまごま刺激的なネタが。バカ話なのに勉強になるなあ。
 二人がお客にトークの中で「○○知ってる人」とかって手ェ上げさせるところで、どうやらSFとか特撮の基礎教養のない人が多いんだなーとは思ってはいたものの、ヤな客だなあと思ったのは、トークでチープな特撮の話とか出てて、そのあらかじめネタを仕込まれた場面(と思えなくもない場面)でわざわざ笑っている人がいたとき。「よし、ここだ!」とか思ってんのかなあ。“効果的でない表現”と“笑える映像”は別でしょ。人の趣味はそれぞれでいいけど、笑うなら自主的に笑ってください。
 映画は、面白かった。なるほど『2001年』から引っ張ってきてるイメージはたくさんあるけど、あれを見てこれを作るセンスというのは凄い。どうしようもなくどうしようもない日常と、絶望的な開放。(ラストシーンのラストショットは、僕は“笑える”という紹介はしたくないなあ。あそこでしみじみとした味わいを切り捨ててとりあえず笑うのは、失礼の部類だと思う。)
 なるほど、登場人物はみんな非常事態にもきわめて冷静でした。考えたら、物体Xでもヴァンパイアでもそうだ。カーペンターはホントに変わってないんだなあ。ところでダン・オバノンは最近何をしてるんだろう。
7月25日(日)
『ガメラ3』(かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホール、10:00〜)
 かつしかシンフォニーヒルズ(葛飾区文化振興財団)の「シネマCLUB」という企画。ちょくちょく、ちょっと前の映画を安く上映している。今回は『ガメラ3 邪神覚醒』と『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』の二本立てだったんだけど、朝も早よから電車乗りついで行ってみたら、なんと! 当日朝の「輸送中の事故」によって『ガイア』のフィルムが届かず、結局ガメラ3だけの上映になってしまったのだ。それで入場料は半額の400円。でもあんまりうれしくない。うーん、楽しみにしてたのになあ。
 一回目の上映で300人は入ってたかも。子ども多数。パパのほうが楽しみに来たというのも多そう。ここはかなり金のかかった音楽ホール(1300人収容)で、スクリーンはデカいけど、ぜんぜん映画の音響じゃない。サラウンドでもない。三巻目の頭(祠の入口の塀が壊れているのを見つけた綾奈が入っていく場面)でフィルムが左右逆にかかったので数分間中断した。
 見るのはこれでたしか十回目。新しい発見というのはさすがにもうあんまりない。
 空中戦はやっぱり『エピソード1』のポッド・レースより速い。あっちはすぐ下に地面があってあの速度なんだから、映像としては相当遅いのでは。爆発の炎もこっちのがキレイ。
 雑誌とかで、要素をつめこみすぎで消化不良、もう×分欲しい、という意見をいくつか見たけど、僕はむしろ、もっと短いほうがいいと思う。冗長というほどじゃないかもしれないけど、短くしたほうが面白い気がする。要素も削らないでいい。
 朝倉と倉田を削れという話があるけど、朝倉美都は見てるとかなり面白い。キャラクター的にいちばんどうでもいいのは長峰かなあ。ギャオスを追ってるのがどういう情熱なのか、いまひとつよくわからない。巻き込まれ型というわけでもないし。
 帰り、「ギャオスが落ちてくるのが面白かった」と言ってる子がいた。そうか面白かったか。
 9月にビデオが出るけど、どうしようかな。半年待って、安いのが出てからにしようかな。
秋葉原
 かなりひさしぶり。ゾーリが溶けそうなほど暑かった。主にはSCSI関係の偵察と、Tのコンピュータの内蔵リチウム電池を探しにきた。日付を忘れたり、なかなかブートしなくなってたのである。
 電池はTOSHIBAて書いたったのでとりあえずチチブデンキで訊いてみると、昔のラップトップに使われてたけど、修理ルートでだけ流れてるやつで、うちでは扱ってないとのこと。ただ、たしかガード下の電池屋にあったんじゃないかなあというので、電池屋を探す。古炉奈の下の、駅にいちばん近いところにある田中無線で無事発見。1500円。コネクターが合わないのは自分で交換することにした。
 僕にとっての秋葉原の醍醐味というのは、部品やジャンクの探索にある。部品の場合、とにかくここでしか見つからないものがあって、助言に従ってちゃんと探せばちゃんと見つかるという、RPG的な探索が実に楽しい。
 秋月が比較的空いていたのでひさびさに覗く。最近はCQ誌もトラ技も読んでないので動向もほとんど知らない。キーホルダー式のレーザーポインタが980円で出てたので買ったら、袋にチラシが入ってきた。眺めてると、しばらく思ったことのなかった感覚がムズムズしてくる。あー、なんか作りてー。
7月27日(火)
近所のイトーヨーカドー
 Aちゃんからタレコミがあって、さっそく確認に行ったら確かにあった。「カフェインウォーター」。以前、鶴川のam/pmで、メーカーとか定かでないけど「カフェインウォーター」という500mlのペットボトルのドリンクを見かけて、おっ、よし今度買おうと思ったらその後二度と見なかったという悲しい思い出があったのだ。
 僕はあんまりコーヒーが好きではない。コカコーラもあんまり好きじゃない。でもジョルトコーラは大好き(しかし東京だとあんまり売ってない)。砂糖の入ってないジョルトコーラがあったら愛飲するのになと思っているぐらいなので、カフェインウォーターというのはけっこう理想の飲みものだったりはする(とか言ってたらこないだTさんに「なんでエスタロンモカにしないの」と言われたけど、気分としては、そういうものでもないのだ)。味はフツーのシトラス系で、面白くもなんともないけど、そんなことはどうでもいい。
 いま検索かけてみたら、どうやら去年の8月ごろカネボウから「a・Qu・b(アクビ)」という「カフェインウォーター」が出ていたらしいのがわかった。あー、これです、これこれ。一瞬で消えたみたいだけど。こっちは「眠気すっきり」が売り。今度のポッカのは「ダイエット」が売り。今度は消えてほしくないなー。買うから、売ってくれ。
 ところでヨーカドーの売場のPOPには「カフェインフリーウォーター」て書いてあった。そら全然逆ですがな。
7月31日(土)
宇宙科学研究所一般公開
 暑い中、吹き込む風の微妙な気持ちよさにまかせて麻痺的に昼寝を敢行していたら、いきなり3時になっていた。あわてて出かける。うちからだと自転車で20分ぐらい。
 なんかいつもより盛り上がってた感じがする。広場ではペットボトルロケットがばんばん飛んでいた。
 個人的な目玉は、今年の初めに能代で試験をやった再使用型ロケット。現物が置いてあった。
 用事の済んだロケットが帰ってくるとき、ウルトラホーク2号のようにのろのろと下りてくるのでは燃料が大量に必要だけど、もちろんそうはなっていない。空気中を落ちてるとき、物体によってそれぞれの最大落下速度というのがあるけど、要するにその速度を打ち消せればいいのだ。地面に激突しないぎりぎりのタイミングでドンと一発噴射して落下速度がゼロになればそれで目的達成である。しかしその帰りの燃料を節約するには、正確な速度と高度のリアルタイム測定と噴射タイミングの厳密な制御が必要で、それぞれの誤差をどの程度見積ってどのへんで吸収するかとか、設計全体のバランスを取るのが難しいようだ。部品はぜんぶ宇宙研で内製してるとのこと。
 ロケットといえば、来年打ち上げる予定のΜ−Vのノズルの現物とかも並べられていたりした。
 結局1時間ぐらいの駆け足になっちゃって、ちょっと反省。
 帰り、町田のヨドバシでダイソンのデュアル・サイクロン掃除機のパンフレットをもらう。とっても科学的でカッコイイ。掃除機買うならこれに決めてるんだけど、いつ買うことになるのか。
 珍しくチェキが入荷していた。「本当にひさびさです」とのこと。
松永洋介 ysk@ceres.dti.ne.jp